No.077 「NEXT21」 未来の住まいを考える実験住宅

建築が“暮らし”を問い直す場所

1993年の誕生から、今なお進化を続ける実験集合住宅の記録。「URBANEX NEXT21」は、大阪ガスが手掛ける単なる居住空間ではなく、環境や社会の変化を読み解くための「生きた研究室」。Webという場所で、30年を超える膨大な時間の蓄積と、これからの未来に向けた思索をいかにして並列させるか。静謐な空気感の中に、都市のあり方を問い直す強い意志を秘めたアーカイブ。

ユーザーインターフェース|沈黙の中に響く、機能的なグリッド

白を基調としたトップページの中央に、ロゴと建築の象徴的なカットを配置。視線が自然と全体像から細部へと導かれるよう設計された情報の動線。ナビゲーションは上部に固定され、複雑な階層構造をストレスなく解きほぐす。
過度な装飾を排し、情報の本質を浮き彫りにするための端正なインターフェース。スクロールのたびに現れる図面や写真が、まるで建築の地層を一枚ずつ剥がしていくような感覚。デジタルでありながら、紙の報告書をめくるような知的な重みを伴う操作性。

コンテンツ構成|時間の重なりを整理する、縦軸の編集

サイトは「ABOUT」「PROJECT」「ARCHITECTS」「HISTORY」「ACCESS」で構成されています。
「ABOUT」では、NEXT21の理念や目的が明快に説明され、“環境共生”や“可変性”といったキーワードが印象的に並びます。「PROJECT」では、各住戸の設計コンセプトや建築家の意図が写真とともに紹介され、
図面や模型写真を通して、建築の思考プロセスを追体験できます。
さらに「ARCHITECTS」では、参加した建築家たちのプロフィールとコメントが掲載され、プロジェクトの多様な視点が浮かび上がります。
そして「HISTORY」では、1993年から現在までの歩みが年表形式で整理され、NEXT21が“実験”から“文化”へと進化してきたことが伝わります。過去の実験データから、最新の活動報告までをシームレスに繋ぐ構成。建築、設備、コミュニティといった多角的な視点を、プロジェクトごとに整理されたレイアウト。単なる実績の紹介に留まらず、失敗や気づきまでもを「知の資産」として公開する潔さ。情報を消費するのではなく、読み手と共に考え、深めていくための対話的なコンテンツ配置。

デザイン|理性と余白が織りなす、建築的モダニズム

ホワイトとコンクリートグレーを基調とした、清潔感あふれる色彩設計。写真の中の木やコンクリートの質感がアクセントとして映えています。フォントは細身のサンセリフ体で、建築図面のような理性的な印象。また、余白の取り方が非常に丁寧で、テキストと写真の間に“呼吸”のような間が感じられます。さらに、ページの切り替えやスクロールの動きが穏やかで、まるで建築空間の中を歩いているようなリズムを生み出しています。つまり、デザインそのものが、NEXT21が目指す「持続可能な暮らし」の秩序を体現しているかのよう。

ターゲット|より良い「住まい」を構想する、すべての探究者

このサイトは、建築家やデザイナー、都市計画に関わる専門家はもちろん、“暮らしの未来”に関心を持つ一般の人にも開かれています。過去の遺産を大切にしながら、常に新しい技術や価値観を取り入れたいと願う、進取の気性に富んだ人々。Webデザインを通じて、膨大な情報の整理術や、ブランドの思想をどう視覚化するかを学びたい、クリエイティブな思考を持つ読者。

「ここを真似したい!」ポイント!

  • 膨大なアーカイブを、迷わせずに導く高度な情報設計
  • 建築図面と写真を対等に扱い、論理的な美しさを構築するレイアウト
  • 30年の歴史という「時間」を、古びさせないための洗練されたタイポグラフィ
  • 知的好奇心を刺激する、注釈や図解の丁寧な配置

まとめ|建築は、未来を考えるための装置

サイトを読み終えた後に広がる、都市の未来に対する静かな希望。整理された情報の一つひとつが、私たちの暮らしを支える「インフラとしての美学」を教えてくれる場所。建築を通して“これからの暮らし”を問い直すための、温度を持ったデジタルアーカイブ。

項目内容
サイト名NEXT21
URLhttps://ogud.co.jp/urbanex/next21/
メインカラーアーキテクチュラルホワイト、
コンクリートグレー
デザイン傾向アカデミック・ミニマリズム、
建築的アーカイブ
注目UI緻密なグリッドによる情報整理、図面とビジュアルの融合レイアウト

トーストの地平線|Webサイト100選