紙が語る、美と思想
「竹尾(TAKEO)」は、1899年創業のファインペーパー専門商社。
サイトを開くと、白とグレーを基調にした静謐な世界の中に、紙の質感や光の反射が丁寧に表現されている。
そこにあるのは、単なる素材の紹介ではなく、“紙というメディア”の可能性を伝える思想。
デザイン、印刷、アート、建築——あらゆる表現者に向けて、紙の新しい価値を提示する知的なプラットフォーム。光を反射し、影を抱き、指先に物語を伝える「質感のアーカイブ」。デジタルという透過した世界の中で、あえて「物質の重み」を整理する、静かな挑戦が始まる。
ユーザーインターフェース|紙をめくるように進む導線
トップページは、余白を活かしたグリッド構成。
ナビゲーションは上部に「紙を選ぶ」「竹尾の紙」「展示会・イベント」「デザインのひきだし」「会社情報」などが整然と配置されている。スクロールに合わせて現れる写真やテキストは、印刷物のページをめくるようなリズムで展開。ページ遷移は滑らかで、情報量が多いにもかかわらず、視線の流れが自然に誘導される。
UI全体が“紙の手触り”を感じさせるように設計されており、デジタルの中にアナログの温度を宿している。
コンテンツ構成|「白」の中に潜む、無限の階調
サイトは「紙を選ぶ」「竹尾の紙」「展示会・イベント」「デザインのひきだし」「会社情報」で構成。
「紙を選ぶ」では、色・質感・用途などから紙を検索できるデータベースが整備され、デザイナーや印刷関係者にとって実用的な構成。
「竹尾の紙」では、代表的な銘柄や製造背景、紙の思想を紹介。
「展示会・イベント」では、紙をテーマにした展覧会やプロジェクトを通して、紙の文化的側面を発信。
「デザインのひきだし」では、紙を使ったデザイン事例やコラボレーションを紹介し、紙の可能性を“体験”として見せている。全体を通して、竹尾が“紙の文化を編集する企業”であることが伝わる構成。「FINE PAPERS」「STOCKIST」「EXHIBITION」といった項目が整理しているのは、単なる商品データではなく、紙がどう光を透過し、どう印刷を乗せるかという「体験」そのものなのだ。
デザイン|素材を主役にする、黒と白の規律
全体を包むのは、ホワイトとグレーを基調にしたクリーンなトーン。
アクセントに使われるのは、紙の色味や印刷インクの自然な発色。
背景の白(ペーパーホワイト)と、理知的な黒(インクブラック)のコントラスト。タイポグラフィは、情報の透明度を保ちつつ、紙の専門家としての信頼感を感じさせるサンセリフ体で情報の階層を明確に整理。
写真は自然光を活かし、紙の繊維や陰影を繊細に描写。
余白の取り方が巧みで、画面全体に“静けさ”と“素材感”が漂う。
デジタルでありながら、まるで紙見本帳をめくっているような感覚を生み出している。

ターゲット|紙を素材ではなく、表現として扱う人々
グラフィックデザイナー、印刷業界関係者、アートディレクター、製本家など、紙を使って表現を行うクリエイター。また、素材や質感にこだわりを持つブランド担当者や建築・空間デザイン関係者。
“紙を選ぶ”ことを、デザインの一部として捉える感性豊かな層。
「ここを真似したい!」ポイント!
紙の世界観をデジタルで体現する編集力
・白とグレーを基調にした上品なカラーパレット
・写真と文字の呼吸を合わせた構成
・情報を整理しながらも“静けさ”を保つUI設計
・素材の質感を伝える写真演出
・文化と実用を両立させたコンテンツ構成竹尾のサイトは、商品を紹介するためのカタログではなく、“紙という文化”を伝えるためのメディア。
スクリーンの中に漂うのは、紙の香りと、印刷の余韻。「白」の中にある数千のバリエーション。Webデザインにおいて、似たような情報をいかに「個別の魅力」として際立たせるか。情報の整理とは、大きな分類だけでなく、微差を愛でるための「目」を養うことでもある。
まとめ|紙が語る、デザインの原点
竹尾のサイトを巡る体験は、思考が物質へと溶け出していくような、心地よい緊張感に満ちている。紙という素材を“思想”として提示するデザインの教科書であり、形を与えることだけでなく「触覚をデザインすること」の本質を教えてくれる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サイト名 | 竹尾(TAKEO) |
| URL | https://www.takeo.co.jp/ |
| メインカラー | ピュアホワイト、インクブラック、 素材のニュアンスカラー |
| デザイン傾向 | マテリアル・カタログ・エディトリアル、 ミニマル・ストラクチャー |
| 注目UI | 感覚的に紙を探し出すペーパーパレット、 素材の繊維まで伝える高精細スチル |
No.070(千夜千冊)で情報の海を編む「白の中に、無限の階調を見る」

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