大阪を拠点に活動するクリエイティブユニット「graf」。家具、建築、アート、食、グラフィック
──その活動領域は多岐にわたり、“暮らしをデザインする”という言葉を、最も誠実に体現してきた存在。公式サイトは、そんなgrafの思想をそのまま空間化したような構成で、ページを開いた瞬間に感じるのは、単なる情報の羅列ではなく、そこに流れる“温度”。静けさの中に漂うクラフトの香りと、現代的な構築美が共存する世界だ。
ユーザーインターフェース|流れるような動線と、呼吸する余白
サイト全体は、画面左側に端正に固定されたナビゲーションを軸に構築されている。このナビゲーションは、まるでアトリエの壁に整然と掛けられた道具のように、静かに佇みながら全体のリズムを司る。
スクロールに合わせて有機的に変化するビジュアルは、まるで静かなギャラリーを歩き進むような感覚を生み出し、ユーザーを深く“grafの世界”へと誘い込む。特筆すべきはページ遷移のトランジション。その滑らかさは、デジタルでありながら「上質な紙を繰る」ような手触りのある挙動だ。情報を詰め込むのではなく、あえて「待機する時間」を設けることで、ユーザーが自分の呼吸で世界観を咀嚼できる設計になっている。
コンテンツ構成|思想を伝える、編集的ストラクチャー
コンテンツは「ABOUT」「PROJECT」「SHOP」「NEWS」「CONTACT」といったシンプルな構成でありながら、その中にgrafの哲学が濃密に詰まっている。
特に「PROJECT」では、家具や空間デザイン、アートワークなど、ジャンルを超えた活動が一つの文脈で語られている。それぞれのプロジェクトが単なる実績紹介ではなく、“なぜそれをつくるのか”という思想の延長として提示されている点が印象的。
また、テキストと写真の関係性が非常に美しい。文章は短く、しかし余白の中に深い意味を含み、写真は語りすぎず、静かに空気を伝える。その構成は、まるで一冊のアートブックをめくるような感覚。

デザイン|クラフトとモードが交差する、静謐な構築美
全体のデザインは、ホワイトとブラックを基調としたモノトーン。しかし、そこにあるのは冷徹なミニマリズムではなく、人の気配が残る“温度のある静けさ”だ。
大胆な余白の取り方は、まるで光が柔らかく差し込むアトリエの壁を思わせる。写真のトーンはどこまでも繊細で、木や布、金属といった素材の「乾き」や「湿り」が画面越しに伝わるライティング。タイポグラフィはサンセリフを中心に、クラフトの温もりと現代的な理性を共存させている。文字の間隔や行間の「呼吸」そのものが、grafが大切にする“間”の美学を体現している。
ターゲット|暮らしをデザインとして捉える感性層
このサイトが語りかけるのは、単なるデザイン愛好家ではない。
日常の中に美を見出し、暮らしそのものを創造行為として捉える人々。
家具や空間、食やアートを通して、自分の価値観を育てたい層。また、デザインを“表現”ではなく“哲学”として考えるクリエイターや建築家。grafの世界観に共鳴するのは、“美しいもの”よりも“意味のあるもの”を求める人たち。
「ここを真似したい!」ポイント!
・固定ナビによる安定感: 常に「軸」があることで、大胆なビジュアル展開でも迷わせない導線設計。
・エディトリアル的レイアウト: 写真のトリミングとテキストの配置に、組版の品格を宿らせる構成力。
・“空気”の可視化: 余白と光を使い、クリックした先に「空間」が存在すると錯覚させる演出。
まとめ|デザインは、暮らしの思想を映す鏡
「graf」のサイトは、単なる企業の紹介ではなく、“生き方としてのデザイン”を提示する思想の器。
そこにあるのは、情報ではなく、時間の流れと空気の質。静けさの中に潜む情熱、「誠実なものづくり」の原点を思い出させてくれる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サイト名 | graf|グラフ |
| URL | https://graf-d3.com/ |
| メインカラー | ホワイト、ブラック(モノトーン) |
| デザイン傾向 | モード、エディトリアル |
| 注目UI | 画面左側の固定ナビ、全画面を占有する 動的レイアウト |
